1次元バー

座標バー,ものさしなどと呼んでいます.触覚ピースを自由に貼り付け,また自由に動かすための台です.触覚ピースには,磁石がついていますので,バーの方は,磁石にくっつく材料が適しています.身近に入手できる材料としては,鉄製の金具,ステンレス製定規,台所で使われるステンレス薄膜,看板用のスチール薄膜などがあげられます.木,アルミニウム,プラスチックなどは,磁石につきませんので使用できません.また,ステンレスはその合金成分費によって磁石との引力が異なります.磁石に良く吸い付くとされるスチール板も極薄であると引力は小さくなります.実際に用いる磁石で結合力を調べて,材料を選択してください.また,台所で使われるステンレス薄膜などは,角が鋭角になっていて,バーを使用している時に,手を痛めたり,触覚上の違和感を発生する場合があるので,薄膜の端をテープで保護するなどの処理が必要になります.

寸法は,現在もちているものが,30mm x 225mmです.あまり短いとピースが並べにくくなります.また,長すぎるとハンドリングがしにくく,さらに心のうちを表現したオブジェクトという印象は弱まってきます.この寸法を目安にしておくと良いでしょう.

実際に使用している1次元バーの作り方を説明します.

材料はヒノキ板(3mm x 30mm x 900mm)とスチールペーパー(紙/鉄製の薄膜/糊が一体化して全厚:0.8mm程度)と呼ばれている製品を用いました.まず,ヒノキ板をカットして,30mm x 225mmのサイズにします.のこぎりで切る場合は,切り口がぎざぎざとなり使用しにくいので,紙やすりなどで切った面を丁寧に仕上げる必要があります.この厚さ(3mm程度)であれば,カッターで何回も(両面それぞれ)切り込みを入れれば,切ることもできます(カッターで怪我をしない様気をつけましょう).

次にチールペーパーを少し小さめのサイズ(例えば,28mm x 223mm)にカット(はさみ又はカッター使用)して,板に貼り付けます.

次に,棒の片側に穴を開けます.1次元バーはある種のスケールです.両端のどちらが原点かをこの穴によって現します(穴側を原点としています).キリやドリルで穴を開けますが,チールペーパーがあると加工によってめくれることがあります.使用しているときに邪魔になりますし,また手を傷つけることにもなりかねません.めくれないように加工すること,もしめくれても,その部分をカッターなどで除去します.それでも触ったときに違和感が残っている場合には,角の部分に木工用のボンド等を塗り,表面を滑らかにします.